※半順序(数学用語)が分からない方はwikipediaみてください。大学1~2年レベルなので高校では習いません。
【全順序・半順序とは(数学)】
ちょっとだけ順序の復習をすると、整数の集合は全順序集合です。全順序は、「どんな二つの要素についても大小(等しくてもいい)が定義できる」ってことです。例えば、33と4については33>4ですし、42=42です。当たり前ですね。
半順序は、誤解を恐れずに言うと「ある2つの要素について、大小が定義されていたり、されていなかったりする」です(他にも推移律とかあるけどwikipediaみてくれ)。整数とか自然数の世界に生きている人にとってはなじみのない概念ですが、実は、海亀数全体の集合はなんと半順序集合になっています!!
【海亀数の復習】
海亀数は a:bのような二つの整数の組で表せる。海亀数は、オセロにおいてある進行から最善で進むとき、
お互いが覚えておかないといけない手順の数を表している。aは自分の必要暗記数、bは相手の必要暗記数を表す。
【順序関係の導入】
海亀数全体の集合に対して、順序関係(不等号 ≧ で表される)を導入しましょう。ふたつの海亀数 a:b と c:d について、a≦c かつ b≧dであるとき、海亀数同士の順序関係を、a:b ≧ c:d と定義しましょう。どういう意味かというと、「a:bのほうがc:dより有利」ということです。
【具体例】
例: 1:10 ≧ 2:7 である。
前者は、自分の暗記が1パターンで済む上、相手には10通りの暗記を強いることができる。これは後者の2:7よりも優れた戦略である(もちろん人間的な打ちやすさなどは考慮しない)
【順序が定義できない場合】
海亀数たち 3:4と5:5 を考える。これは海亀数の順序関係の定義(a≦c かつ b≧d)を満たさないのでどちらが優れるとかはない。ただし、オセロ的にはどっちを選ぶべきというのは存在して、後で書く。
【極大と最大の定義(数学)】
いったん数学の話に戻る。例えば、全順序集合{1,1,45,14,191,9}を考える。この中の最大値は191ですね。当たり前です。最大値の定義は、「他のどの要素とも比較可能でかつ大きい」です。確かに191はほかのどの数字とも大小が定義されていて、大きいですね。ところで、極大値というものも定義できて、「自分より大きい要素は存在しない」です。この場合は極大値も191です。一般に、全順序集合においては最大と極大は一致します(wikipedia参照)。
【半順序での極大と最大】
海亀数たちの集合{1:3, 2:6, 3:5}を考えよう。この中の最大と極大は何だろうか?
まず順序関係は、
・1:3と2:6には順序は定義できない
・1:3と3:5には順序は定義できない
・2:6≧3:5
です。
まず最大値(他のどの要素とも比較可能でかつ大きい)ですが、ないです。そもそも、他の全部の要素と比較可能なものがありません。一般に、半順序集合においては最大値は存在するとは限りません。次に極大値ですが、二つあって1:3と2:6です。これらより大きい海亀数は存在しないからですね。一般に、半順序集合においては極大値は一つ以上、存在します。
【半順序理論をオセロに活用する】
ここまでの話を踏まえ、「極大値をとる海亀数の中から採用する進行を選ぶべき」です。

親の顔より見ている人も多いf8コンポス。海亀数は{1:7, 2:13, 4:3}です。極大値は1:7と2:13なのでここから選ぶのがいいでしょう(実際はレア度や引っ掛け性能も考慮する必要がある)。ちなみに、うえのんEDAXは極大値を水色で表示するようになっています。(うみがめさんのBookAdviserも同じ仕様?)
※E8(スリポス)の白の暗記数が1通りなのは深さを30に限定しているからで、実際は深さ36で2通り覚える必要あるけど。。。
【じゃあ極大値の中でどれがいいのか?】
当然湧いて出てくる疑問ですね。絶対の正解はないので①~⑥で最も共感できるやつを選ぶといいです。
①勝ちの権利を持っている側(引き分け進行なら黒、黒の2石変化進行であれば白)は自分の暗記数が最小のものを選ぶ。勝ちの権利がなければ最大のものを選ぶ。
上のf8コンポスの例だと、自分は白視点で勝ちの権利がない。なので、暗記数最大(2:13)のG4(FAT方面)を選ぶ。気持ち的にはE8だと黒にたった(?)7通り対策されると負けてしまうので13通りにしたいというモチベーション。
②割り算を行って自分が優位な方を選ぶ。今回は1/7と2/13の比較なので1/7を選ぶ。
③相手によって使い分ける。一般に(お互いに分岐が少ない)=研究志向、(お互いに分岐が多い)=力戦志向なので、格上には一本道で進み地力の出にくい前者、格下には暗記が外れやすく実力の出やすい後者を打つ。
④基本的に研究で進めたいためお互いに分岐が少ないほうを選ぶ。打ち続けると必ず完全対策してくる輩(主にy〇〇〇yさんとマ〇〇ダさん)が出てくるため、出てきたらその相手にだけしぶしぶ分岐が多いほうを打つ。
⑤ぶっちゃけ極大値同士ではどれも大差はないと考え、海亀数以外の指標(マイナー度、引っ掛け性能、打ちやすさなど)をもとに打つ進行を決定する。
⑥暗記には絶対の自信があるので常に相手の暗記数の最大化を目指して打つ。ソフトだとおそらく最強の方針。だが人間には無理?それともうみがめさんの調和理論(=パレート最適理論)使えば意外と何とかなる?(未検証)
自分は①④⑤で手を決めることが多いです。
【全順序・半順序とは(数学)】
ちょっとだけ順序の復習をすると、整数の集合は全順序集合です。全順序は、「どんな二つの要素についても大小(等しくてもいい)が定義できる」ってことです。例えば、33と4については33>4ですし、42=42です。当たり前ですね。
半順序は、誤解を恐れずに言うと「ある2つの要素について、大小が定義されていたり、されていなかったりする」です(他にも推移律とかあるけどwikipediaみてくれ)。整数とか自然数の世界に生きている人にとってはなじみのない概念ですが、実は、海亀数全体の集合はなんと半順序集合になっています!!
【海亀数の復習】
海亀数は a:bのような二つの整数の組で表せる。海亀数は、オセロにおいてある進行から最善で進むとき、
お互いが覚えておかないといけない手順の数を表している。aは自分の必要暗記数、bは相手の必要暗記数を表す。
【順序関係の導入】
海亀数全体の集合に対して、順序関係(不等号 ≧ で表される)を導入しましょう。ふたつの海亀数 a:b と c:d について、a≦c かつ b≧dであるとき、海亀数同士の順序関係を、a:b ≧ c:d と定義しましょう。どういう意味かというと、「a:bのほうがc:dより有利」ということです。
【具体例】
例: 1:10 ≧ 2:7 である。
前者は、自分の暗記が1パターンで済む上、相手には10通りの暗記を強いることができる。これは後者の2:7よりも優れた戦略である(もちろん人間的な打ちやすさなどは考慮しない)
【順序が定義できない場合】
海亀数たち 3:4と5:5 を考える。これは海亀数の順序関係の定義(a≦c かつ b≧d)を満たさないのでどちらが優れるとかはない。ただし、オセロ的にはどっちを選ぶべきというのは存在して、後で書く。
【極大と最大の定義(数学)】
いったん数学の話に戻る。例えば、全順序集合{1,1,45,14,191,9}を考える。この中の最大値は191ですね。当たり前です。最大値の定義は、「他のどの要素とも比較可能でかつ大きい」です。確かに191はほかのどの数字とも大小が定義されていて、大きいですね。ところで、極大値というものも定義できて、「自分より大きい要素は存在しない」です。この場合は極大値も191です。一般に、全順序集合においては最大と極大は一致します(wikipedia参照)。
【半順序での極大と最大】
海亀数たちの集合{1:3, 2:6, 3:5}を考えよう。この中の最大と極大は何だろうか?
まず順序関係は、
・1:3と2:6には順序は定義できない
・1:3と3:5には順序は定義できない
・2:6≧3:5
です。
まず最大値(他のどの要素とも比較可能でかつ大きい)ですが、ないです。そもそも、他の全部の要素と比較可能なものがありません。一般に、半順序集合においては最大値は存在するとは限りません。次に極大値ですが、二つあって1:3と2:6です。これらより大きい海亀数は存在しないからですね。一般に、半順序集合においては極大値は一つ以上、存在します。
【半順序理論をオセロに活用する】
ここまでの話を踏まえ、「極大値をとる海亀数の中から採用する進行を選ぶべき」です。

親の顔より見ている人も多いf8コンポス。海亀数は{1:7, 2:13, 4:3}です。極大値は1:7と2:13なのでここから選ぶのがいいでしょう(実際はレア度や引っ掛け性能も考慮する必要がある)。ちなみに、うえのんEDAXは極大値を水色で表示するようになっています。(うみがめさんのBookAdviserも同じ仕様?)
※E8(スリポス)の白の暗記数が1通りなのは深さを30に限定しているからで、実際は深さ36で2通り覚える必要あるけど。。。
【じゃあ極大値の中でどれがいいのか?】
当然湧いて出てくる疑問ですね。絶対の正解はないので①~⑥で最も共感できるやつを選ぶといいです。
①勝ちの権利を持っている側(引き分け進行なら黒、黒の2石変化進行であれば白)は自分の暗記数が最小のものを選ぶ。勝ちの権利がなければ最大のものを選ぶ。
上のf8コンポスの例だと、自分は白視点で勝ちの権利がない。なので、暗記数最大(2:13)のG4(FAT方面)を選ぶ。気持ち的にはE8だと黒にたった(?)7通り対策されると負けてしまうので13通りにしたいというモチベーション。
②割り算を行って自分が優位な方を選ぶ。今回は1/7と2/13の比較なので1/7を選ぶ。
③相手によって使い分ける。一般に(お互いに分岐が少ない)=研究志向、(お互いに分岐が多い)=力戦志向なので、格上には一本道で進み地力の出にくい前者、格下には暗記が外れやすく実力の出やすい後者を打つ。
④基本的に研究で進めたいためお互いに分岐が少ないほうを選ぶ。打ち続けると必ず完全対策してくる輩(主にy〇〇〇yさんとマ〇〇ダさん)が出てくるため、出てきたらその相手にだけしぶしぶ分岐が多いほうを打つ。
⑤ぶっちゃけ極大値同士ではどれも大差はないと考え、海亀数以外の指標(マイナー度、引っ掛け性能、打ちやすさなど)をもとに打つ進行を決定する。
⑥暗記には絶対の自信があるので常に相手の暗記数の最大化を目指して打つ。ソフトだとおそらく最強の方針。だが人間には無理?それともうみがめさんの調和理論(=パレート最適理論)使えば意外と何とかなる?(未検証)
自分は①④⑤で手を決めることが多いです。
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