こんばんは。定石一覧のページにたくさん定石があるのですが、何を打てばいいか悩む人が多いと思います。一般に、入門者は「黒番では兎定石と牛定石」「白番では縦取りから全最善」がオススメされがちです。しかし、ちょっとうまくなった初心者(オセクエ5分での黄色R1700)以上の人にはあまり当てはまらないのではと思っている(個人の感想)ので今回はそれについて書きます。

■タイプ診断

スクリーンショット (189)

※図がマイクロソフトのロゴみたいになってしまった・・・

棋風を分ける軸は今回は「読みvs暗記」「終盤vs序中盤」を採用しました。これ以外も中割りと引っ張りどっちが好きかみたいな軸もあると思う。

ちなみに、Ⅰ~Ⅳ型はレーティングの差はないものとして考えます(どれが強いとかはない)。暗記が強い人はその分読みの地力で若干劣るので結果として同じ強さという考え方です。ちなみに、人口の多さで言うとⅠ型>Ⅱ型>Ⅳ型>Ⅲ型だと思っています。(もともと1234の順だと思っていたが意外と4型がいるようなので修正)

■読みvs暗記
・同じレベルの人と打つと先に暗記が切れることが多い。⇒読み
・対局より序盤研究をする方が楽しい。⇒暗記
・序盤を覚えるのが苦痛だ。⇒読み

まあここは大体自分の感覚通りだと思う(謎)

■終盤vs序中盤
・勝てていた試合を終盤で落とすことが多く、逆に拾うことは少ない⇒序中盤
・(オセクエ5分のレート引く100)より詰めチャレのレートが高い⇒終盤
・詰めオセロと対局の復習では前者をよくやる(好き)。⇒終盤

ここも感覚通り(?)

■■診断結果
で、ここからが本番で、Ⅰ~Ⅳ型ごとに合った定石があると思っていて、それを使うとレート的に50くらいは上がるのではないでしょうか(未検証)。逆に、対角線上にある定石は最も苦手とするはずです。ちなみに、簡単に漢字二文字で気風を表すと(謎)、Ⅰ型(王道)、Ⅱ型(暗記)、Ⅲ型(力戦)、Ⅳ型(奇襲)です。

■Ⅰ型(読み・終盤)
おそらく最も多いタイプ。相手の暗記にハマって不利な状況で終盤を迎えても、細かい差であれば終盤力でひっくり返してしまう。無対策で何となく最善っぽい手だけを並べてもある程度戦える。
・オススメ定石
評価値が悪くないメジャーかつ穏やかな進行。逆に辺を取りまくって序盤で勝負を決めるような進行は苦手。
(黒番)
虎大量からの全最善受け・タマプラ(2石)・ロジステロ(2石)・戦車定石・こうもり・バッファロー
H6コンポスやテバポス、Sローズの2石受けのような分岐数が悪い進行も使いこなせる。
(白番)
縦取りからの全最善受け・横うさぎやタマプラに対する0進行(定石一覧の「一刀両断」)など悪くない変化・BergTigerなど。斜め取りからの全最善受けもなくはない。
(得意)
Ⅲ型(格上格下問わず)。相手が勝手に悪い変化を打って自滅してくれる。
(苦手)
格上のⅣ型。序盤で変化され、手なりで打ったら詰められて何もできずに負ける。
(Ⅰ型同士)
地力で打つ区間が長いため実力差が出やすい。普通よりさらに格上有利。

■Ⅱ型(暗記・終盤)
暗記オセラーといえば大体ここ。豊富な暗記量で、双方暗記切れの時にわずかな優勢(数石)を獲得し、そのまま逆転させずに終盤力で勝ち切る。白番の時に特に有力な戦略(白は分岐数がいい&白の終盤が打ちやすい)で、白番のみⅡ型という人もいるでしょう。
・オススメ定石
終盤まで暗記で進めたいので海亀数を頼るのがいいと思う。海亀数の説明
(黒番)
虎大量からの最善か2石進行・タマプラ(2か4石)・ロジステロ(2か4石)・ローズ(4石)・飛び出し(引き分け進行)
(白番)
縦取りからの全最善受け(特にd7金魚やFJT、FATやスリポス)
(得意)
格下のⅣ型。変化を知っていれば全最善で受け続けるだけでいつも勝てる。
(苦手)
Ⅲ型(格上格下問わず)。序盤から力戦にされて暗記が生かせない。
(Ⅱ型同士)
地力で打つ区間が短いため実力差が出にくい。普通よりは格下有利。1ミスで持っていかれる。

■Ⅲ型(読み・序中盤)
序中盤で双方未知な盤面にして読み勝負に持ち込むのが得意。XOT(ランダム盤面から始まるオセロ)が好き。評価値の悪い進行を打って乱戦に持ち込む。自分が暗記する必要がないので、毎回違う進行を打つこともできるタイプ。
(黒番)
4石以上のマイナーな変化(海老、ザリガニ、あっくん定石、野兎、鹿、裏狸、裏蛇など)、分岐の多い進行(虎大量・野いちご)
暴走牛を唯一使いこなせる(かもしれない)のはこのタイプ
(白番)
縦取りからの序盤変化(龍、雷、ミサイル)
斜め取りからの分岐の多さを生かした戦法。特に双方分岐の多い大量取り(から変化して2石)、
裏大量取りや裏石橋(から二段変化して4石)
(得意)
Ⅱ型(格上格下問わず)。中盤始まりには相手の暗記を切らし相手の暗記を有効活用させない。
(苦手)
Ⅰ型(格上格下問わず)。序盤で悪い変化を打った分だけ純粋に不利になる。
(Ⅲ型同士)
地力で打つ区間が長いため実力差が出やすい。普通よりさらに格上有利。

■Ⅳ型(暗記・序中盤)
相手だけを一方的に暗記切れに追い込んで、自分の暗記の範囲かつ序盤で勝負を決めることを目指す。相手を序盤で詰ませるため、過激な引っ張り定石を使いこなす。逆に、メジャーな進行で40手目暗記切れ4石有利とかなってもそこから勝ち切るのが苦手。Ⅲ型とは違い同じ変化定石を極め続ける傾向がある。黒番の時に有力な戦略(黒は分岐数が悪く変化せざるを得ない&黒の終盤が打ちにくい)で、黒番のみⅣ型という人もいるでしょう。黒のほうが成績がいい人はⅣ型の場合が多い。
(黒番)
二段(多段)変化、変化返し、マイナーな独自進行(人それぞれ)
海亀数も重要で、かつ相手を引っ掛ける序盤でのハメを狙う。
タマプラ、ロジステロ、ローズ、砂虎、飛び出し、ヘビ、岩崎流、潜水艦などからの多段変化(2~6石進行)
(白番)
唯一、縦取りが合わないタイプ。(序盤で黒の暗記を外すのが困難で地力勝負ができない)
イエス流の8石のやつとかだったら使えるかも・・・
基本的に斜め取りからの変化定石(2~6石)が得意。快速船や沈没船、幽霊船、裏こうもりについて行って9~15手目くらいで2石(4石でもいい)変化を打つか裏石橋にするか。平行取りからの旅チューも選択肢には入る。
(得意)
格下のⅠ型。序盤で一方的に詰めてしまえる。
(苦手)
Ⅱ型。特に対R2300以上(の一部の人)だと持ってる変化を暗記全最善で受けられ何もできずに負ける。
(Ⅳ型同士)
定石のかみ合わせによる。先に変化する方が得意な形にでき有利。

■補足
・Ⅰ⇒Ⅲ⇒Ⅱ⇒Ⅳ⇒Ⅰの順番に見事に4すくみができている。ポケモンみたいに相性がある
・定石と棋風がミスマッチしてる人は打つ進行を変えるとレートが上がる(かも)
・それぞれの型に当てはまるかの傾向は強弱があるので、ニュートラルに近い人たちはどの戦法も使いこなせる
・どの型も(相性はあれど)レートは同じなので、ニュートラル(オールマイティ)だから強いってわけではない
・その型の傾向が強い人は対角線上にある反対側の型の定石が苦手なはず。
・今のスタイルに飽きたら隣接する型を試すといいと思う
・僕は典型的なⅣ型なのでⅡ型の人たちが苦手です・・・